1969-04-23 第61回国会 衆議院 社会労働委員会 第12号
この決議に基づきまして、政府は連合国最高司令官にはかり、そのあっせんのもとに、在京米国政府当局と話し合いを進めました結果、昭和二十四年四月十四日に阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定を締結いたしました。この協定は五カ条からなっておりまして、第一点が対米請求権を放棄する。第二点が阿波丸の請求権をこの協定によって最後的に打ち切る。
この決議に基づきまして、政府は連合国最高司令官にはかり、そのあっせんのもとに、在京米国政府当局と話し合いを進めました結果、昭和二十四年四月十四日に阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定を締結いたしました。この協定は五カ条からなっておりまして、第一点が対米請求権を放棄する。第二点が阿波丸の請求権をこの協定によって最後的に打ち切る。
、これがこの阿波丸請求権に関する取りきめの実体をなすものてございますが、これとほとんど同じ表現が平和条約十九条においてとられておりまして、「日本国は、戦争から生じ、又は戦争状態が存在したためにとられた行動から生じた連合国及びその国民に対する日本国及びその国民のすべての請求権を放棄し、」という表現がございます。
従って、阿波丸請求権を放棄したというのは、そういう請求をし得る地位、これは外交交渉上認められている地位でありますが、その交渉し得る地位を放棄した、こういうふうに考える。大体、請求権についてのいろいろな折衝が行なわれ、解決が行なわれるのは、みなそういう事態であるというふうに考えておるわけであります。
そうすると、今適当な例が見出せないのですが、これまでのお互いに結んだ条約、阿波丸請求権とかそういうようなものは、それじゃ権利じゃないわけですね。どうにでもくつがえせるわけですね。われわれがもし納得しなければ権利として認めなくてよい、納得ずくで権利になるのだということになれば、これは非常に問題が起きてくる。国際法上そういうような解釈は私は初めて聞いたわけです。
質疑を終わり、討論に入りましたところ、大矢委員より、「第一に、特に昭和二十四年三月以前の貿易や援助の内容が不明確であり、阿波丸請求権の放棄等から見て、贈与として受け入れられたものである。第二に、わが国は膨大な占領費を負担しており、また、貿易の実態からしても、債務は支払い済みである。第三に、対米債務の負担は産業投資特別会計の原資不足を招くものである。
あの原子爆弾に対する損害賠償や阿波丸請求権を放棄したのも、このような国民感情を背景に行なわれたのであります。また、取引の不可欠の要素であり債務の基礎になる価格の表示すらなかったという事実、援助の総額すら明白なものがなかった事実等々は、債務性を否定する有力な根拠でありましょう。 総理御自身が、昭和二十四年大蔵大臣当時、ガリオア・エロアが援助か債務かは平和条約によってきまるとお答えになりました。
国会における無条件の感謝決議、そしてあの原子爆弾に対する損害賠償権あるいは阿波丸請求権を放棄したのも、このような国民感情を背景にして行なわれ得たのであります。(拍手)また、取引の不可欠の要素であり、債務の基礎になる価格の表示すらなかったという事実、援助の総額すらこのように明白なものがなかった事実等々は、債務性を否定する有力な根拠でありましょう。
政府は、昭和二十四年四月十四日に、阿波丸請求権の処理のための協定と了解事項をアメリカとの間に結びました。その了解事項の中には、「占領費並びに日本国の降伏のときから米国政府によって日本国に供与された借款及び信用は、日本国が米国政府に対して負うている有効な債務であり、これらの債務は米国政府の決定によってのみこれを減額し得るものであると了解される」としるされております。
しかも、この阿波丸請求権処理の協定が、特にこの了解事項等を見れば、いろいろ今回のガリオア・エロアの援助の処理に関して一つの影響を与えておるということは、沿革的にもこれは明らかな事実なんです。そういうことを見たとき、これは単に国会から委任があったということで済まされる問題ではないと私は考えておるわけです。どうでしょうか。
○政府委員(中川融君) この阿波丸請求権放棄のこの協定は、これは国会両院で同趣旨の決議がございまして、阿波丸の請求権は放棄するのが適当である、したがって、政府はその趣旨でアメリカと交渉し、その結果を国会に報告せよという御趣旨の決議が両院でそれぞれございました。その決議に基づきまして、政府がこの協定を取り結びまして、そうしてその決議のとおりこれを国会に御報告したのでございます。
○戸叶武君 今、林法制局長官が言われたのには、昭和二十五年三月ころから池田さんがそういう表現をした、その前には昭和二十四年四月十四日の阿波丸協定の、阿波丸請求権の放棄に関する日米協定の附属了解事項としてそれを国会に報告したときに、吉田さんがそういうようなかまえで報告をされたと言っておるのですが、この附属了解事項の内容を読んでみますると、「借款及び信用は、日本国が米国政府に対して負っている有効な債務であり
具体的論拠といたしましては、昭和二十年四月の例の阿波丸請求権放棄についての日米両国間の協定の際の附帯了解事項に触れまして、この了解事項が、従来贈与のごとく考えられ、あいまいであった占領費、すなわちガリオア・エロア等についての日本への信用及び借款の供与は、米国政府に対して負うべき有効な債務であるとの確認がなされている事実を指摘いたしております。
それから、阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定の付属の了解事項というものがございます。この中で、占領費及び日本国に供与されたところの借款及び信用は、日本国が米国政府に対して負っている有効な債務である、これらの債務は、米国政府の決定によってのみこれを減額し得るものであるということをうたっているのであります。
実は、私は念のために申し上げておきますが、この阿波丸請求権放棄のときに、私も国会議員でありましたが、私は反対したのです。国会は大多数をもって賛成しましたけれども、私は反対しました。岡田君なども反対しました。私どもは、筋の通ったことをやらなければいけない、きょうの私の質問も決して筋が通っていないことはないと私は思うわけです。
五十万ドルの阿波丸請求権を捨てて、二十億ドルを同じように捨てろなんというそんな常識があるか、こうおっしゃるから、あなたの論理で言うならば、五十万ドル捨てて占領費という約四十何億ドルですか、この占領費を捨てるというのはおかしいじゃないかということになる。ところが、現実に十四条の(b)項で捨てているじゃないか。
○戸叶委員 ガリオア・エロアの援助の相殺ではなかった、そういうふうにおっしゃいますけれども、それでは、あとからそのことを問題にしたいと思いますが、この阿波丸請求権の問題に対して、アメリカに日本の外務省が賠償の交渉を行なったということは、外務省の記録にもあると思いますが、いかがでございましょうか。なお、日本側として幾らの請求をアメリカにお出しになりましたか。
私どもは、援助物資が当初引き渡された際に発せられた連合国総司令部の日本政府に対する覚書や、ガリオア予算が米国陸軍省予算として計上され、米議会に提出された際のマッカーサー元帥初め米政府関係者の証言に徴しても、さらに昭和二十四年四月の国会の決議に基づき、阿波丸請求権放棄の協定を米政府との間に取りきめたときの付帯了解事項の中の文言からしましても、さらに政府が国会において、吉田総理以来ずっと今日まで一貫して
この決議案のすぐあと、昭和二十四年四月十四日に政府は、阿波丸請求権の処理のための協定と了解事項をアメリカとの間に結び、国会の承認も経なかったのであります。いかに占領中のこととはいえ、国の債務に関することをアメリカとの間だけで勝手に話をつけて、国民のあまりなじみのない条約集にのみ載せておくことは、許すべからざる行為であります。
それから二十四年の阿波丸請求権放棄のときに、日本側の何か覚書が出されておるようではありまするけれども、それもその当時の政府の独断専行によるところの越権行為であって、このようなことは何ら国会も国民も関知したことではございません。
まずその点について、きょうは金額ではなしに、外務大臣から一つずつ、あなたは債務の正当性を言うのでしょうし、私の方はきちんとしておかなければならぬと思いますので、阿波丸請求権放棄に関する了解事項の中で、違うと思う点について外務大臣から御答弁願います。
そういう意味では、阿波丸請求権に対する放棄、その中の了解事項として、この日本国に供与された借款及び信用は日本国が米国政府に対している有効な債務で、これらの債務は米国政府の決定によってのみこれを減額し得るという、それは、そこの中にガリオア・エロアは全部入っておるんだという考え方は、私は交渉する外務大臣としては、前に吉田総理が衆議院の本会議や予算委員会で答弁したからそのまま自分はいかなければならぬというものではないと
以上私は今あなたにお尋ねをしたのは、そういう意味では、一つは阿波丸請求権放棄に関するときの了解事項、その次に陸戦法規の問題、それからサンフランシスコ条約の問題、あなたは最初私への答弁の中で、十四条(b)項の中ではガリオア、エロアについての規定はない、こう言っているのです。
ただいまの阿波丸請求権の問題は、事前に国会で、こういう協定を結んで国会に報告せよという御決議があったのでございまして、従ってその場合は、これはいわゆる憲法にいう形式的な条約として国会の御承認をあらためて得る必要はない。
その決議の内容は、戸叶先生よく御承知だと思いますが、阿波丸請求権は放棄するのが適当である。必要な措置を政府がとって、その結果を国会に報告せよという内容の御決議があったわけでございます。政府といたしましては、両院でおのおのありました決議の通りのことをいたしまして、アメリカとの協定を結びまして、それを国会に御報告したのでございます。
○羽生三七君 昭和二十四年の阿波丸請求権処理のための日本国政府及び米国政府間の協定と、これによる吉田・シーボルト書簡の了解事項では、日本国に供与された借款及び信用と、今政府も、外相もそう言われておりましたよ、それのみが債務であると明白に規定しておる。だから贈与、特にガリオア、これは正式に含まれないというのは当然の解釈だと思う。明確に借款及び信用と、こうなっております。
○安藤(吉)政府委員 本件は、阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定に関係しておりますので、私から御説明させていただきます。 当時、この協定の第一条にございます通り、降伏後の期間において米国政府機関から受けた物資及び役務の直接間接の援助を多として阿波丸の請求権を放棄するということが第一条に規定してございます。
ただいまの御指摘の点は、阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定というのがございますが、それの了解事項にその点が載っている次第でございます。そこで私当時の記憶をたどってみますと、この阿波丸の請求権の処理のための協定は、国会の御決議によって、それに従ってこの協定をしたのじゃなかったかと思っております。従いまして協定及び了解事項も、それによって国会の承認は受けなかった。
阿波丸請求権の処理のための日本国政府及び米国政府間の協定、これの了解事項によって債務だということがはっきりうたわれておる、こういう御答弁だったのですが、そうなると今まで日本国民の債権債務に関することは、国会の承認を当然得ていなければならないことになると思うのですが、その点はどうなるのですか。
阿波丸請求権処理に関する協定があり、付属の了解事項がある。その了解事項の中でこのガリオアあるいはイロアは債務であるということがはっきりしているわけですね。これは国会の決議に基いてやったんだ。今の御答弁だとそういうことになる。しかしその債務の額がきまっておらないから、その額がきまり次第、その額についてそのつど国会の承認を求めることになる、こう了解していいのですね。
政府としてはそういうことを国会の御趣旨に従つて交渉し、かつ国民なりが持つておりました請求権を放棄ずるようなことをやりましたかわりに、いわゆる阿波丸請求権に関する法律を出しまして、国内的な補償をした、かようなことになつておると思います。